人気ブログランキング | 話題のタグを見る

純米大吟醸「車坂」鑑評会出品酒

鑑評会の出品酒というのがある。
鑑評会は美人コンクールみたいなものだから、入賞するお酒はどれも「美人」揃いである。
そういうお酒は最初は見た目が麗(うるわ)しくていいと思うのであるが、
二杯目は呑みたくない、すぐ飽きてしまうからである。

しかも、どの蔵のお酒を呑んでも似たように見えるから面白くないのである。
似たように見えるとはいっても、たしかに呑み比べてみると違いはあるのではあるが、
その違いが分かると己の鑑定能力は確かなものだと悦にいることはできるのだけれど、
赤と紅と朱の色の違いみたいなもので、青や黄といった変化がないからつまらない。

だから、鑑評会の出品酒はいい原料を使って手間隙掛けて造られた美しいお酒だ
とはわかっているけれども庵主にとっては呑む時にはあとまわしにする酒なのである。
お酒を呑む楽しさはそのお酒の欠点に惚れ込んじゃうところにある。
というより欠点が許せてしまうところにある、魅力は欠点の味わいにあるということである。

この味わいを自分は支持するという絶対の満足感がうまいのである。
和歌山の「車坂」の純米大吟醸鑑評会出品酒と神奈川の「相模灘」の純米吟醸とがあって、
なのに「車坂」の方を買ってきたのは、前者は四合瓶、後者は一升瓶だったからである。
庵主の鞄には四合瓶は入るが一升瓶を入れることはかなわないからなのである。
by munojiya | 2008-08-24 12:51 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya