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ちょっといい話

ネットで見つけたのである。
いや、出会ったのである。
彦坂尚嘉氏のブログである。
ブログをやっている人だから暇人である。

が、これがおもしろい。
画(え)が写っているのになんにも写っていないという写真を見たのである。
シンディ・シャーマンが撮った女性が写っている写真である。
写真というのは何かを撮るものだと思っていたのに何も撮らない写真もあるのである。

アルコール中毒の人々が、/アルコールを飲む原因が、/
時間管理の不適切であると言われます。/
自分が何をしたら良いか分からないから、/酒を飲むのです。(/は原文の改行部分)
という部分もあったが、庵主の飲酒もそれに近いのかもしれない。

氏ぱ、見た目には同じように見えるものの違いを見分けることができる目利きなのである。
そのブログとの出会いは期待しないで呑んだお酒が異常にうまかったようなものである。
拾い物である、儲け物である、庵主がこれまで見えなかったものを教えてくれるのだから。
うれしかったから、さっそく、ついこうして書いてしまったのである。

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ちなみにその写真が載っているブログはこちらである。
そこでは、また、人物を撮った写真はその空間の方に意味があると書いてある。
人物写真は写っている人物ではなく、被写体の回りの空間こそが写真だという。
本質は見た目の反対側にあることが少なくないという庵主の思いに一致するのである。

氏が、これは一流だと認定した芸術で庵主にはちっともうまくないものがある。
いいお酒とうまいお酒とは異なるように、
いいお酒であってもそれが必ずしもうまいお酒とは限らないように
一流の芸術にも、いいお酒とうまいお酒の違いがあるようである。

その実例はこちらである。
一流だからといってもそのことにひれ伏すことはないということは
庵主がお酒から教えてもらったことである。
お酒が分かると芸術も見えてくるということである。

べつにお酒を呑むことを勧めるわけではないが、
お酒が呑めると芸術がより豊かに楽しめるようになるということは確かである。
なんといっても芸術は呑めないが、お酒は自分の体に入れられるのだから。
芸術は心を酔わせるだけだが、お酒は身も心も酔わせてくれるのである。

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余談
いま、ふと心に思い浮かんだことなのだが、、
芸術というのは悧口な人はやらないものなのではないかと気づいたのである。
これは書いちゃいけなかったか。

彦坂ブログの面白いところは芸術をきちんと評価(格付け)するという点である。
その評価がなんとなく頷けてしまうから庵主には読んでいて楽しいのである。
お酒のうまさも一つにはその評価にかかっているのである。
お酒の場合はそのお酒の位置を定めるといったほうがいいかもしれない。

そのお酒の位置がわかるようになってくると面白いのである。
そのためには数多くのお酒を呑む必要があるが、量はいらないのである。
量を楽しむ呑み方はまた別の呑み方でそれはそれで一つの世界をもっている。
書いては差し障りのあることを忌憚なく書くところは、氏はまさに芸術家である。

さて、こういうお友達の作品の格付けをすると、/人間関係的にはまずくなるのですが、/
しかし、やるべきと、私は考えるにいたりました。/
でないと、《批評》という事の意味が見えてこない。
といって、己の信じるところを書くのである、その批評が面白いのである。

Tracked from 玄耕庵日乗 at 2008-09-04 23:46
タイトル : めずらしくブログ紹介
明日は大嫌いだった課長の栄転祝いの飲み会があるので(やったぜ!)、今夜の酒は控えめに庵でサントリー角瓶の水割。美味くもない酒をチビチビやりながら、久しく聴いてなかったボブ・マーリーの「ワン・ラブ」を聴きつつ、これまた久しぶりのネット徘徊。 数年前と比べて巡礼するブログはほとんどと言っていいほどなくなったが、やっぱり訪れてしまうのが「むの字屋の日本酒痛快速報」。リズムのいい四言絶句のような文体に、酒に絡めて社会や文化を斬ってしまう鮮やかさ。いいお酒を飲んだ時のような気分にさせてくれる。此処(玄耕庵...... more
by munojiya | 2008-08-27 07:44 | Trackback(1) | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya