伝統破壊 <お正月は三本立>
「ハンコ・判子・元号・縦書きをやめよう」。
これは異論のあるところである。
なぜなら、一部には感情を逆なでする問題だからである。
理屈ではなく、感情にふれる問題だからである。
長く慣れ親しんでいるものを旧弊・害悪だと断定して排斥しようというものだから、
それらをよしとしている人にとっては生き方を否定されるようなものだからである。
疑問をいだかずに信奉しているものを否定されて虚を突かれた思いに陥るからである。
虚を突かれて狼狽したときに返ってくるのは、そういう意見に対する拒絶反応である。
理を弁(わきま)えての反駁ではなく、屁理屈を交えた罵倒が返ってくるはずである。
というのはそれらはすでに伝統文化として根付いているので、つまり疑問をいだく余地が
ないものとされているから、伝統文化に対する破壊活動と受け取られるのである。
利口な人は、それらを一気に否定することはしないのである、懐柔を図るのである。
庵主が普通酒・三増酒を馬鹿にしていてもその呑み手まで否定することがないように。
たとえば、なんでも横書きにしようという日本人がいるとしたらそれはアホである。
ではなぜ「むの字屋」は横書きかというとそれはアホが書いているからに他ならない。