酒の肴 日本人は無駄遣いが足りないという
長く貧乏暮らしをしてきた日本人にもっと無駄遣いをせよということになったのである。
国民の一人ひとりがもっと無駄遣いをしないと日本経済が回らないというのである。
国民が勤倹貯蓄精神に毒されると自動車会社なんかは悲惨だからである。
庵主は人間が軽い上に車が買えないからざまーみろと思っているが、当事者は大変である。
車が売れないということは日頃口にしているエコに貢献するわけだからいいことではないか。
去年は自動車事故の死者数が激減したといわれているが、自動車が売れなくなれば
それもまた減ることだろうから社会的にはプラスではないのか、社会貢献ではないか。
ところが庵主がいつも書いているように、物事は紙の裏表なのである。
環境はよくなる、不慮の死が減るといった利点は、
生活が苦しくなるという忍耐を強いられることと一体だからどちらを取るかである。
自動車がもっと人を轢き殺すようにならないと世の中は不景気を託つということである。
自動車事故の年間死傷者数は約百万人だから当たりの確率は概略100人に一人である。
その程度の確率なら多くの人は事故とは無縁でいられるから許容範囲なのである。そこで
お金が回らないので不景気なのだから紙幣(かね)を刷れというのである、政府紙幣である。
それは酔っぱらいの戯言(たわごと)なのか、その話題はいい酒の肴になるのである。