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お酒のアルコール、焼酎のアルコール

庵主のお好み酒である「ふなぐち菊水一番しぼり」が「薫香」を出した。
醸造アルコールに替えて、自社で蒸留した酒粕焼酎を混ぜた新商品である。
それによって減圧蒸留で造ったという酒粕焼酎のフルーティーな香りを加えたという。
呑んでみると焼酎独特の刺すようなアルコールの刺激を感じる、性格がキツイのである。

これまでの醸造アルコールよりもその刺激が際立っているのがわかる。
うまいと感じる前にアルコールが浮き上がってくるから庵主の好みからは外れる味である。
刺激とはいっても個性を感じるから、無個性の醸造アルコールよりは味はあるのだが。
お酒のアルコールというのは、やたらに日本酒度を上げない限り舌触りがやさしいのである。

そこにてっとりばやく醸造アルコールを入れると味わいが薄っぺらになっていくようである。
合成清酒は、醸造アルコールのまずさを醸造用糖類で補い、醸造用調味料でごまかし、
醸造用酸味料で化粧するのだが、元に魅力がないといくら化粧しても駄目なのである。
そんなに甲類焼酎が飲みたいのならわざわざ日本酒を混ぜて呑むまでもないと思うのだが。

酒に求めるものが、アルコールのパンチなのか、それに浮かんだうまさなのかの選択である。
庵主はうまさの方を味わいたいから、アルコールが前に出てくる酒は苦手である。    
庵主にとっていいお酒とは、これはアルコール飲料だったのだと後から気付く酒である。
量を呑まなければ、そのうまいだけを味わうことができるのである、お酒はうまいのである。
by munojiya | 2009-02-18 13:32 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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