劣化する
昔の日本人の方が今よりずっと立派だったというのである。 ●参考映像(約20分)
その感懐は世界中の年寄りに共通する懐旧の思い(老化現象ともいう)なのかもしれない。
同時に、本当に劣化しているのではないかという心配も拭えないのである。 ●参考HP
お酒は日々うまくなっていると庵主は書きつづけているが、
その味わいはどんどん軽くなっているのである。洗練されていくと言えないこともないが。
譬え話でいえば、女の化粧である。そのテクニックは年々歳々上手になっているが、
では肝心の中身はよくなっているのかというと、ますます軽くなっているということである。
見掛けのいい酒と、見掛けはともかく中身がしっかりしてるお酒のどちらを選ぶかとしたら、
庵主なら、多少野暮な味わいでも、中身のある方を選ぶ。
見掛けだけのお酒は、綺麗なお酒ですねとしかいいようがないからである。
話がそれで終わってしまうからつまらないということである。
写真がフィルムからデジタル画像に変わったことを庵主は劣化したと見ている。
品質はよくなったであるが、つまらなくなったからである。
お酒も工場造りのお酒がつまらないのは、それなりによくできているからである。
可もなく、不可もなく、おもしろくもなくだからである。語るまでもない酒なのである。