「川中島 幻舞」
さけ・ちくらの、ではなく、しゅせん・くらの、と読む。
そのお酒が「川中島 幻舞〈かわなかじま げんぶ〉」である。
長野のお酒で都内の居酒屋でも時々目にすることがあるが、まだ知られていないお酒だろう。
名前は知られていても、なかなか現物に出会えないお酒という意味である。
その純米吟醸無濾過生原酒がうまい。四合瓶で1500円。目印は茶色のラベル。
ラベルには精米歩合49%と書かれている。
庵主は精米歩合50%を徳俵大吟醸と呼んでいるが、49%というのは十分大吟醸ということか。
しかし、「幻舞」はそれを純米吟醸として出しているから、表示にこだわることはない。
呑み手は、その実際の味にこだわればいいのである。
それが、うまいのである。
杜氏は女性である。千野麻里子杜氏である。
庵主は女杜氏が造るお酒は丁寧に造られているのはわかるが今一つ色気がないという
先入観をもっているが、このお酒は、庵主が口にして「あっ、うまい」と感じるお酒だった。
庵主がいうところの、明かにうまいお酒の一例である。気楽に呑めるうまいお酒なのである。
そして、「幻舞」はその値段が味の水準に比べて安いのである。このお酒は買いである。