番外篇 馬から落馬
文章ではやってはいけないこととされている。
不要な字数が増えるので水増し原稿になることからそれをみっともないと見るのである。
たとえば、一番最初に、と耳で聞く分には全然気にならないのである。
最初は一番目に決まっているにも関わらずである。
最初というのは、真ん中あたりとか、おしまいにはないのである。常に一番目である。
今現在、と言われても違和感はないのである。
今は現在に決まっているにも関わらずである。
過去や未来は今ではないからである。今と現在は同じことを繰り返していることになる。
今という時点は、過去から見れば未来のことであり、未来から見れば過去のことなのだから、
今というのは、同時に未来でもあり過去でもあるから、今は必ずしも現在とは限らないので、
その中の現時点を示す今のことだといえないこともないが、それをいったら酒の肴である。
食器洗いの洗浄機という言い方は果たして馬から落馬なのかとふと気にかかったのである。
アメリカに渡米する、といったら馬から落馬であるが、洗浄器の方はそれでもいいような。
庵主に言わせれば、「うまいお酒」というのも実は馬から落馬なのである。
庵主にとってお酒というのはうまいものであってそうでない酒はお酒の範疇外だからである。
-----
ラジオで「ヘルシーな食事」といっている。食事は健康のためにするのではなかったっけ。
-----
後日、「酒の肴」も「馬から落馬」だということを知ったのである。