100102 空といい、無といい、諸行無常という
生きているということは空〈くう〉なのだという。色即是空という。
無だと悟った人もいる。
諸行は無常だというのである。あれっ、無常とは無ではないという意味だったっけ。
で、そう悟ってどうなったかいえば、多くの衆愚(馬から落馬か)と同様に
他と変わることなく死んでいったのである。くたばったと言ったほうがいいのかもしれない。
人生をそんなくだらないことを悟るために浪費してしまったのかという憐れみからである。
そういう生き方のことを愚者というのではないのだろうか。時間潰しの下手な人である。
したがって、庵主のインチキ方程式では、「賢明=大愚」となるのである。
地球は円いから、極東は極西と重なるので、観点を変えれば「東=西」になるのと同じである。
相反する意味は同義であるという、庵主のこじつけである。
いや、それは紙の裏表だから同じ物だという庵主の持論による帰結なのである。
生きていることは確かに空である。生きているだけで空腹になるのである。
そして無である。食っても食ってもまた無になるからである。おなかがすくのである。
さらに諸行無常である。一つに満足できず今度はさらにうまいものが欲しくなるのである。
諸賢は酒を呑んで無常を語っているのだから、お酒こそが本質だったりして。生=酔。