10-02-13 天国と地獄
神様業界の裏表というべきか。慈善事業と悪場所稼業を同じ経営者がやっているのである。
どっちに転んでも儲ける人は同じだということである。その仕組みを思いついた人は偉い。
偉いというのはもちろん馬鹿にしているのである。いや、感心しているのである。
何にもしないで永遠の時間を過ごさなければならないという退屈地獄が天国、
無限の時間をその長さを忘れて暮らせる天国が地獄である。
いずれも気違いの発想である。
「六分の“狂気”、四分の熱」というから、人は狂気をはらんでいる友は面白いのである。
それが切れてしまった人を天国といい、煮詰まってしまった人を地獄というだろう。
人間の様相を天国と呼び、地獄と呼ぶのである。いずれも偏っているということである。
つまり、生きているから天国と地獄があるということである。その中庸を凡人と呼ぶ。
死ぬことでそれらが消滅してしまう仕組みを作った人は偉い。この偉いは称賛の意味である。
うまいとまずいも裏表なのである。まずいを含まないお酒はつまらないのである。凡酒である。
そのお酒をうまいと称賛することは、まずいを踏まえてのことである。
うまいだけのお酒は間の抜けた酒である。まずいだけのお酒は呑むまでもない。
うまいはまずいに支えられているのである。それも生きているうちの楽しみなのである。