2010-04-08 猿田修杜氏
庵主は、また一人杜氏の名前を覚えたのである。
その「津月〈つづき〉」のうまさに庵主は舌鼓を打ったのである。
その「澄月〈ちょうげつ〉」も庵主の気をそらさないお酒である。
そして、「神月〈しんげつ〉」、生モト純米(精米歩合59%)である。
近くの食品問屋では四合瓶で930円という値段も気を引くではないか。
猿田杜氏のお酒である。外れはないはずであると期待して買ってみたのである。
結論。いいお酒ではあるが、庵主が期待しているうまいというお酒ではなかった。
生モトの酸味がきれいに出ている。丁寧に造られたお酒の品のよさが感じられる。
この値段なら当たりである。
しかし、である。
庵主は、お酒に「うまい」を求めるのである。
いいお酒を求めているわけではない。
アル添でも、三増酒でも、合成酒でもいいのである。後二者では「うまい」は厳しいものの
庵主が「うまい」と感じる酒興があれば呑めるからである。うまいとは期待を超える味である。
「神月」は納得できるお酒なのに猿田杜氏のお酒だからゆえに物足りなかったのである。