2010-04-15 お笑いビール
庵主はためらわず代用ビールと呼んでいる。
それはあくまでもこの「むの字屋」内でのことである。
外でそれが回ってきたときには、黙って口をつけるのである。
酒を飲むのに能書きなんかいらないからである。
その酒が気に食わなければ飲まなければいいだけのことである。
で、その代用ビールの愛称をお笑いビールとしたのである。
最初から真っ当なビールを造れば楽なのに、なんと手間暇をかけてそんなものを造るものか。
業界用語というのがある。
新人の女子社員が上司からこれ「焼いてきて」といわれて手書きの文書を手渡されたという。
その新入社員はそれをゴミ置き場に行って焼却してきたという。
上司はコピーしてくれと頼んだつもりだったのである。「焼く」も業界用語なのである。
堅気の人には理解できなかったのである。まだコピーが青焼きの時代の話である。
映画業界で「わらう」というのは、それを取り除くことである。脇によけることである。
意味を知らない新人は、助監督から早くわらえといわれて、笑いだしてしまったという。
お笑いビールである。庵主ならそういうのは黙ってわらってしまうのである。本物ビールがいい。