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2010-09-13 21世紀な、お酒

庵主〈あんしゅ〉はビールから派生した第三のビールや第四のビール(リキュールビール)を
ためらわず代用ビールと呼んでいるが、しかし、その新しい分野は紛い物といっていいのか。
それらをビールの延長線で見るから紛い物にしか見えないのであるが、
それは21世紀に向けて開発された新しい分野の酒なのだと見ると話は変わってくる。

昔、アルコールは醸造酒だった。酵母が一生懸命造ったアルコールを飲んでいたのである。
それは天の恵みだった。
今日のアルコールは工場製品である。モダンなのである。最初から酒の成分を飲むのである。
いうならば、アルコールというサプリメントを直に摂取しているようなものである。簡便。

勿論、モダンというのは嫌味である。しょうがないなぁという含みである。
世の中の流れには逆らえないという諦めでもある。
精留されたアルコールは雑味のない美しいアルコールである。
メリハリや陰影を削ぎ落としたつまらないものを庵主はモダンと呼んでいる。

今時の若い者は苦いビールを飲まずに甘いチューハイを飲むといって馬鹿にされている。
しかし、そのチューハイは美麗なアルコールに果汁をまぜて飲むモダンな酒なのである。
どちらを口にしても飲めば酔うが、昔の酒と今の酒は出立点が逆なのである。
結果としてのアルコールを味わうか、よく磨き上げられたアルコールを飲むか、なのである。
by munojiya | 2010-09-13 11:32 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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