2010-09-29 呑んで酔いしれず、磨いて使わず
呑んで酔いしれず。
磨いて使わず。
大人〈おとな〉の嗜みである。
やせ我慢ができる人を大人と呼ぶ。
なかなかできないことをさらりとやってのける器量のことである。
磨いて使わずは武具のことである。
隙を見せない堅固な心構えのことである。
庵主などは、人と接して秘密を洩らし、
呑んですぐに酔っぱらい、
グラスを磨いて使ってしまうのである。
いい酒器で、快く呑んで、心を開放するのである。
だから一流になれるわけがないのである。
一流の国家とは磨いて使わずができる国のことだろう。
矛を振りかざすような真似をする国は強いかもしれないが範にはならない国である。
もっとも一流を標榜しても武具を揃えるお金がないことにはどうにもならないのだが。