2011-01-26 ビールの試飲缶の研究(能書き)
とはいえ、安く売るために、安い原料を使うことが多いから、一般的には安い酒ではあるが。
逆に、高い原料を使って造っても、安っぽいお酒というのがあるということである。
いい物を使っているのに、中身が薄っぺらだと却ってその貧相が際立つことがある。
本ビールの欠点は、アルコールを混ぜたことで、安い酒を思わせることなのである。
醸造酒であるビールの複雑味が綺麗なアルコールによって平板な味になってしまうのである。
複雑味は、それがうまい場合もあるが、逆にまずいこともあるもののそれがいいのである。
ところが混ぜたアルコールはその複雑味の表情を無表情に塗りつぶしてしまうのである。
綺麗なアルコールゆえに、それが表に出てくると、すなわち、これはアルコールの味だと
感じてしまったら終わりである。ビールだと思って飲んでいた気分が一遍にさめてしまう。
飲み終えるまでは、これはビールなのだと騙してほしいのである。
騙す技術こそが本ビールの腕の見せ所である。ほとんど女と男の化かし合いの世界である。
「金麦」は、泡でそれをやっているのである。泡がうまい。
おっ、ビールだ、と思ったうちに飲んでしまえばいいのである。かつ、喉で飲めである。
抜栓して時間がたつとアルコールの味が表に出てくるから、その前に飲み了えるのがコツだ。
ビールの本当の味わいを楽しみたいのなら、本物ビールを飲めばいいだけのことであるが。