2011-02-22 笑い話 菊酒除不祥
徳の高い高僧である。きっと質素な生活を送っているので安い菊酒を呑んでいたのだろう。
ゆえに不祥を十分に除〈よ〉けられなかったのである。
京都のお坊さんの話である。
金閣寺と銀閣寺の住職を兼ねている偉い坊さんが脱税をしていたということで、
笑い話業界では、「金隠し」「銀隠し」の管長さんと呼ばれるようになったのである。
『有馬頼底[ありま・らいてい、と読む]、悪党面だな。
古都税問題の時は行政をボロックソに叩いてたくせに。』(182番)
貧相なら、菅総理の写真で見飽きているが、
庵主は、最近、たくましい悪党面を見ていないので期待してご尊顔を拝見したのである。
その書は佐藤大観堂さんのHPで見せてもらった。かっこいい「瀧」じゃないか。
値段が付いていなければいい書である。“伸び伸びしている”闊達な書である。
値段が高くてうまいお酒がある。安心して呑めるお酒ということになる。
たしかに贅沢な満足感はうまいのである。ただし、値段のことを考えなければ、である。
さすがにそういうお酒はなかなか呑めないので、庵主が呑むのはうまくて安いお酒である。
税務署と「脱税者」の見解はよく異なることが多いから事の善し悪しは速断できないのである。
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『寺の収入にしてなかったのかよ。個人のポケットに入れてたわけだな』(227番)
『真剣にやってる坊主がホント可哀想』(219番)
『そんな坊主はおらん』(229番)
少しはいるというのが次の書き込みである。
『銀閣寺そばの書店で働いていたけど
10数人いた常連の坊さんたちは、エロ本や車の雑誌ばっかり買って
難しい本、宗教書を買う人はひとりしかいなかった』(206番)
少なくとも一人はいるという貴重な証言である。
『宗教法人の無税って止めるべきだな。
京都の糞坊主なんて見てみろ。
酒焼けしブクブク肥えたスケベ丸出しの坊主が多いぞ。
夜な夜な祇園のおネーちゃんに説法を垂れに行ってるらしいわ』(74番)
『宗教法人からの課税[庵主注:「から」なら徴税]は無理です。
公明党があるからです。
公明党は創価学会だけじゃなく伝統宗教からも感謝されまくってます。』(89番)
そうか、公明党の存在理由はそれだったのか。『裏千家も近々だな』(299番)
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『江戸時代からある浄土宗のお寺の境内に母方の墓がある。
盆と彼岸と暮れにお金払って供養してもらってるのに、
知恩院への上納のノルマがあるので一口五万でお布施しろって。
両親も年金暮らしだから無視してたら未納者リストが送られてきた。
仕方なく三万納めた。そんなに金がいるならお布施で育った孫にバイトさせろ!
宗教法人課税しろや! 』(253番)
御布施なんか要するに泡銭(ほんとにお金が足りなかったらそんなもの出せない)なのだから
課税するのが妥当だろうが、宗教は屁理屈の集大成だから坊主には勝てないのである。
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大観はこうだという。『まぁ仏教なんて教学紛々で天台で終焉、その後はオタクの真言と
コンシューマー獲得の鎌倉仏教で、囲い込みの日蓮系みたいな。江戸の均一化と昭和の廃仏で
精神なんて残ってない。真面目にやってる奴なんて金で蹴飛ばされる。
思い切って小乗導入したら? って。』(同 米欄)。
相撲界といい、宗教界といい、いずれもごっつあん業界なのである。
脱税は天下御免の世界である。そういえば、もう一つそういう世界があるのである。
民主党は財源に事欠いてこれまで見逃されていた業界に手を突っ込んでいるのだろうか。
政治家の金を問題にするのもそれの一環なのかもしれない。そう捉えておくことにしよう。