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2011-04-07 酔客

「酔客」を「すいきゃく」と読まれては困る。
それではもぐりの日本人かと思われるのである。
「刺客」は「しかく」と読む。「しきゃく」とは読まない。
それを「きゃく」と読んだら「旅客機」は「りょきゃっき」となって早口言葉になってしまう。

「すいかく」ときれいに読んでほしい。
もっとも「すいかく」と綺麗に読んでも、
その意味はただの酔っぱらいだからみっともないことに変わりはないが。
お酒の業界には、造り手がいて、配り手(酒販店、居酒屋)がいて、呑み手がいる。

業界というのは、物(あるいはサービス)を作ってそれを使いこなすまでの世界をいう。
一般的にはそれを作っている世界をいうが、物は使いこなしてこそ本来の意味があるのだ。
だから庵主は使い手が満足するまでを業界として括るのである。
お酒の業界は呑み手がそれを呑んで満足したときに成就〈じょうじゅ〉するのである。

だから、呑み手がいないお酒は可哀相なのである。無意味なのである。
庵主はそういう かわいそうなお酒がないように気を遣っているのである。
業界における庵主の地位の問題である。唯の呑み手である。呑み手が酒を決めると自負してる。
それを恰好よく「酔客です」と言おうとしたら、それは唯の酔っぱらいのことだったのである。

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造り手、配り手、呑み手と書いたが、業界で一番偉いのは実はお酒の運び手なのである。

by munojiya | 2011-04-07 01:21 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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