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2011-05-11 お酒のいいところ

体質的に酒が合わない人は無理にそんなものを口にすることはないのである。
お酒が勿体ないからである。とりわけ、うまいお酒は至宝なのだから。
「俺の酒が飲めないのか」と迫られてもまずい酒なら飲めないのである。
体質的にアルコールが駄目な人なら、それ以前に口に入れることもできない。

酒なんかは手段だから、そんなものが合わない人はもっと適切な手段を選べばいいのである。
体質的に酒が合わない人には、別の場合がある。
飲め過ぎちゃう人である。いくら呑んでも酔わないという人である。
酒が用をなさない体質の人である。そういう人を鈍感というのだろう。酒の無駄である。

そういう人でも、酒の売上には貢献するから経済的に無用ではないのが唯一の救いであるが。
お酒のいいところは、用が満たされるとあとに何も形が残らないということである。
書籍などは読んだあとにそれが本という形で残るから始末に困るのである。
庵主の庵はそういう書物〈ゴミ〉でいっぱいなのである。

捨てるに捨てられないのである。所有は人生の重荷になるということである。
お酒は、「酔う」が済んだあとは何も残らないのがありがたい。所有からの自由である。
愛することは時に所有になってしまうから困ることがある。所有とは自由からの逃避である。
庵主のようなひ弱な精神には愛することは叶わない。宗教が理解できない理由でもある。

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映画は、昔は見たらあとに物〈ぶつ〉が残らない文化だった。物という縛りがなかった。
死ぬときに未練が残らない文化だったのである。残す形がないから身軽だったのだ。
しかし、今はビデオで見るから見終わったあとに盤〈メディア〉が残るのである。
物というのは未練なのである。思い残すものがあるということは心の重荷になるのである。

by munojiya | 2011-05-11 00:43 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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