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特別純米大吟醸

困るのである。
日本酒の特定名称を勝手に複雑にされては。
が、うれしくもある。
それを邪道だとは思っていてもそこにうまいお酒があるからである。

最近
特別純米大吟醸という酒が出まわっている。
たとえば
「天保正一」の特別純米大吟醸である。

天保正一といえば
「喜楽長」の杜氏であり、
能登杜氏の最高峰の一人だ。
その天保正一が特別純米大吟醸を世に問うたのである。

山田錦を
30%まで精白して醸したお酒である。
はたして本当にうまいのか。
その評価は文末までとっておこう。

日本酒という商品は
大きくわけて、普通酒と特定名称酒に分けることができる。
どこが違うのかというと
一応うまいお酒が特定名称酒とされている。

では普通酒はまずい酒かというと
そうではないのである。
普通酒はけっしてまずい酒ではない。
大手の日本酒メーカーが心を込めて造っている酒である、呑めない酒ではない。

ただ、まずくはないのだがうまくもないお酒なのである。
ちなみに庵主のからだはそれをうけつけない。
もともと酒が呑めない体質である。
うまくもない酒を無理して呑むことはないからである。

庵主にとっては
普通酒は呑んでも甲斐のない酒である。
呑んでいてもつまらないからである。
庵主は「うまい」酒でないと呑めない。

庵主が呑めるうまいお酒は
特定名称酒の中にある。
特定名称酒は
その原料と造りの違いによって八つのタイプに分けられている。

米だけで造ったお酒が
精米歩合の違いで4種類に分けられている。
純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸の四つである。
精米歩合が小さくなるほどいいお酒ということになっている。

精米歩合というのは
たとえば精米歩合70%というのは30%を糠(ぬか)にして落としたということである。
純米酒で普通は70%ぐらいは磨いている。
特別純米大吟醸「天保正一」はそれを逆に30%まで磨いた狂気の酒なのである。

うまい酒に思えてきたでしょう。
純米酒に多少のアルコールを添加したお酒が本醸造酒である。
それがまた精米歩合の違いで4種類にわけられる。
本醸造酒、特別本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒の四つである。

特定名称酒の最高峰が大吟醸酒だとしたら
その極みのお酒として造ったのだという意気込みが付けた呼称が
特別純米大吟醸酒なのだろう。
庵主には蔵元の見栄と杜氏の悪乗りとしか思えないのだが。

特別純米大吟醸はうまいとかまずいとかは超越しているお酒である。
ただ黙って味わっていればよい。
それがどういうお酒であるかの一端は
庵主が「梵」の特別純米大吟醸を呑んだときに書いたとおりである。
by munojiya | 2005-07-26 19:18 | うまいお酒あります | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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