人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2011-09-06 このお酒の能書きには脱帽

酒祭りには、一行でも二行でも、そのお酒の特徴や見所を書き出してほしいのである。
ただ酒銘が並んでいるだけの酒祭りでは読んでいてもさみしいからである。
このお酒を呑んでみようという気にさせる誘〈いざな〉いの言葉がほしいのである。
このお酒に出合えてよかったと思わせてくれる一言で押してほしいのである。

一番うれしいのは、呑ませ手がそのお酒を選んだ思い入れが書かれているときである。
酒祭りを通して、呑み手と呑ませ手の心が通うのである。
そういう思いで選ばれたお酒ならきっとうまいお酒に違いないという期待が高まるのである。
そこまでお酒に気を掛けていられないのなら、宣伝文句をそのまま書き写してもいいだろう。

昔は、映画は週替わり2本立て興行というのが主流だった。
毎週毎週新作映画が掛かるのである。その呼び込みチラシが新聞に挟まって届けられる。
そのチラシは、あらかじめ映画会社から送られてくるその映画の宣伝文案集の中から、
映画館主が適当に選んで自分の映画館の適性に合わせて作ったものである。

そのチラシの惹句は出来合いの言葉なのだがそれでも客の気を引くことができるのである。
この能書きには感心した。「八海山/本醸造」である。呑みたくなってくるのである。
香りは控えめで、本醸造らしからぬ角のとれた軟らかい口当たりと、
ふくよかな味わいながら抜群のキレ味をもつ辛口本醸造です。
拠所。名人芸である。
by munojiya | 2011-09-06 00:16 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya