2011-09-20 大吟醸酒とは何か
お酒に大吟醸酒というのがある。
いかにもうまそうなネーミングである。
そしてなんとなく高級感がただよっている。高級感というより贅沢感というべきか。
「大-吟-醸-酒」という漢字の組合せはもっとも美しい漢字の組合せの一つではないか。

日本語はもともとは縦書きで、大→吟→醸と画数が増えていく安定感が心地よいのである。
そして最後に文字通り「しゅ」と切れていく過不足のない余韻がいいのである。
その大吟醸酒には二種類あるということである。
一つは形式上の大吟醸酒である。ただ50%以下に精米した米で造ったお酒である。

もう一つは文字通りの馥郁たる大吟醸酒である。
同じく精米歩合50%以下のお酒であるが、これは本当にうまい。いや、うますぎるお酒だ。
後者の大吟醸が本物の大吟醸だとすれば、前者のそれは名誉大吟醸酒とでも呼んでおこう。
将棋の名誉九段などと同じである。

将棋の名誉九段には条件があるという。終生、将棋を指してはいけないという縛りである。
名誉大吟醸も、それを呑んではいけない大吟醸なのである。看板を愛でるお酒なのである。
大吟醸酒とは、そのお酒を大吟醸と称して世に出すかどうかという蔵元の見識をいうのである。
本物の大吟醸酒は蔵元の見識を味わうお酒なのである。本物の大吟醸には味に余裕がある。

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だから、本物は黙って呑んでも、黙ってうまいのである。能書きはいらないお酒なのである。

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by munojiya | 2011-09-20 00:53 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)
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