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2011-12-11 蓋棺録

「蓋棺録」という言葉がある。「婦人公論」の見出しで初めて知った。
「立川談志さん(蓋棺録)人間の業を丸ごと呑み込んだ落語家」という見出しである。
柩の蓋を覆ってから出てきた生前余話〈わるくち〉をいうのだろう。
それに倣って、酒呑みの浮世余話〈さけじまん〉は「開栓録」とでもいうのだろうか。

「むの字屋(開栓録)清酒の業〈わざ〉を丸ごと呑〈たのし〉み込〈もてあそ〉んだ楽酒家」。
幸せというのは、心が平静になれる状況をいう。
不幸というのは、外部に恨みを感じる状況のことである。
だから、貧乏でも幸せになれることは可能である。

逆に、お金がいっぱいあっても不幸を感じることもありうるのである。
生活に困ることはない十分にお金持ちと思われる人がさらにお金を増やそうとするのは、
それをチャレンジ精神と呼ぶよりは、精神的に幸せ感を感じることができない病気と見るべき
なのだろう。あるいは幸せを感じるレベルが高すぎて満たされることのない不幸な人なのか。

うまいお酒を呑むということは、庵主にとっては心の安静を得る悦楽である。
うまいという感情は、十分な満足感なのである。それは内なる世界の出来事で、
他との比較ではないから、世を恨むことがないので気持が楽になれるのである。
向上心というのは比較心なのだろうが、美酔の時は他と較べるまでもないから心地よい。
by munojiya | 2011-12-11 00:21 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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