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2012-01-09 お正月酒の意味

正月も松の内が過ぎた。
庵主にはこの時期が一番の鬼門である。一年中で最悪の季節なのである。
お正月鬱病になりかねないからである。
その時分はなぜか気分がひどく落ち込むのが常だった。

師走の喧騒が除夜の鐘とともに一瞬にして変わるからである。
世間の気の流れが変わるのを庵主の体は敏感に感じ取ってしまうからだろう。
そういう時にTVを見て気分を紛らわせようとしても、かえって気が落ち込むような
つまらない番組しかやっていないので庵主はTVを避けるようになった。TVは体によくない。

暦が十二月から一月に変わるだけで、それは連続している何ら変わらない一日なのに、
「あけましておめでとうございます」ということが言えなかった。
ラジオやTVで、タレントが苦もなくそれを口にしているのを聞いて感心しているのである。
よく恥ずかしくなくそれを口にできるものだと、大人の振る舞いに憧憬してしまうのである。

年替わりは気が停滞するのだろう。パソコンでいえばリセットといったところか。
その前の一年に溜め込んでしまったゴミファイルを一気に消してしまうのである。垢を落とす。
それで気が削がれてしまうから、それまでの安定感がかき乱されるので心が落ち込むのだろう。
そういう時期に清新な気を入れてくれるのがうまいお酒だったのである。お正月酒だった。
by munojiya | 2012-01-09 00:44 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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