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2012-03-06 「九頭龍」

「九頭龍〈くずりゅう〉」といえば、お酒に馴染んでいる人ならそれは「黒龍」だと分かる。
福井の「黒龍」が醸しているお酒である。
燗酒として造ったというその大吟醸酒を味わってみる。
「黒龍」といえば「二左衛門」や「石田屋」で名声の高い蔵元である。

「二左」も「石田屋」も、酒呑みならば一度は呑んでおきたいお酒である。
いずれも値段が高いお酒なので普段呑みするお酒ではないが、呑み応えのあるお酒である。
その「黒龍」が燗を付けたときにうまい大吟醸を造ったというのである。
「黒龍」だから、味に間違いはないだろうが、果たして燗にしたときにうまいのか。

庵主の経験則では、ほとんどのお酒は燗をつけてもうまくならないのが現実である。
冷やして呑んだほうが、燗を付けたときよりもうまいのである。まだ、呑めるのである。
冷やで呑んだときにうまいお酒でも、燗をつけたら呑めなくなるものも少なくない。
だから、燗を付けたときにうまくなるお酒と出合った時は幸せ感に包まれるのである。

うまい純米大吟醸を呑んだときには、アル添酒なんかどうでもよくなるように、
うまい燗酒を呑んだ時は、冷やで呑むことが別世界〈ビョーキ〉に見えてくるのである。
うまい燗酒の悦楽は、まさにこの世の至福にひたっているような快感にあるのである。
はたして、「九頭龍」は呑み手を至福の快感に導いてくれるのだろうか。その結果は明日。
by munojiya | 2012-03-06 00:03 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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