2012-03-10 愚問賢答
「おまえのやっていることを自分の子供に見せられるのか」。
思えば、世の多くの商売も、それを言われたら答に窮するのではないだろうか。
エロ漫画家であるという(庵主は不明にしてその漫画を見たことがないので)山本直樹の賢答。
『昔、「自分の描いた漫画を子供に見せられるのか?」って聞かれて
「見せるわけないだろ、バカ!」って答えたことがあるけど、
なくすのではなく隠すのが大人の役割でしょ。
もちろん子供は見つけちゃうんだけどね(笑)。』典拠。
お酒を造っている人に、「自分の造ったお酒を子供に呑ませられるのか?」っと聞かれたら、
「呑ませるわけないだろ、馬鹿!」と答えるしかないのである。
あっ、行数が余ってしまった。
愚問「今一番うまいお酒は何?」
そんなお酒があるわけないだろうが。蜜柑と林檎を比べてどっちがうまいかと聞く様なものだ。
「“今”、一番うまいお酒は、いまあんたが呑んでいるお酒に決まっているじゃないか。
今呑んでいるのは、それ以上にうまいお酒ではなく、逆にそれ以下のまずいお酒でもない」
今自分が呑んでいるお酒が自分〈いちばん〉に相応〈おい〉しいお酒だということなのである。
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自分が今呑んでいるお酒の境地〈しつ〉を上げることを男を磨くというのである。
そのお酒の些細な違いに執着しなくなることを人間が丸くなるというのである。
粗末なお酒にも美を見いだせる様になったら枯れた心境に至ったというのである。
そして、お酒が呑めなくなったらお陀仏というのである。