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2012-03-12 「羽根屋/純吟・煌火」

思いを込めた一滴」である。
その「思い」が味わえるお酒がある。
「羽根屋〈はねや〉/純吟・煌火〈きらび〉」である。
「羽根屋」は「富美菊〈ふみぎく〉」というお酒を醸している蔵が造っている。

「富美菊」の蔵の別ブランドである。それまでの味わいとは一線を画するお酒なのである。
その昔、「富美菊」を呑んだとき、当たり障りのない味わいのお酒だなと思ったものである。
思えば、富山のお酒である「若鶴」にしても、「立山」にしても、それらの下の格式のお酒を
呑んでも、庵主はうまいと感じないのである。物足りないのである。

庵主のお酒の好みが、少量でもうまいと感じるお酒が好きというものだからである。
だから、ほのかな香りがあって、甘くて、アルコール度数17度のお酒がうまいのである。
一方、富山のお酒はゆっくりと呑み続けるという呑み方をする人にはやさしいお酒なのだろう。
庵主の呑み方はそれとは逆だから、「富美菊」も記憶に残る味わいではなかったのである。

ゆえに、その時に呑んだ「富美菊」は、はっきりいって庵主にはうまいとは思えなかった。
が、「羽根屋/純吟・煌火」は違う。
味にメリハリがある。だからお酒を呑んだという満足感〈よろこび〉が味わえるのである。
造り手の「思い」が伝わってくるのである。そして、うまいのである。杜氏羽根敬喜とある。

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すべてのお酒を大吟醸と同じように醸す……
手間ひまを惜しまない作業が、
気の遠くなるように重なる。
だから、一度に多くの酒を醸すことは出来ません。

ほんとうに旨い酒だけをお届けするために、できることの全てを。

HPにそう書かれた通りの味わいが楽しめるお酒である。
久しぶりに「羽根屋」に出合ったが、以前の「羽根屋」はこんなにうまかったっけと、
呑む前の期待〈きおく〉を裏切られたうまさに満悦したのである。お酒も進歩するのである。

by munojiya | 2012-03-12 00:03 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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