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2012-04-02 うまいお酒とは何か

まず、「うまい」とはどういうことをいうのかということから定義する。
庵主は、それと似た言葉である「おいしい」を、「うまい」とは区別して使っている。
「うまい」とは、そのお酒単独で満足できるお酒のことである。
「おいしい」とは、そのお酒を呑む雰囲気と合わせて楽しく感じるお酒のことである。

「うまい」とはそのお酒を、「おいしい」とはお酒を呑む場のことをいうのである。
「おいしい」お酒は、必ずしも「うまい」お酒であるとは限らないが、
「うまい」お酒は「おいしい」お酒なのである。
「まずい」お酒は、どうにかして、おいしく呑む方法を考えるのである。

目玉焼きの食べ方ではないが、何とかしておいしく呑もうと思案しながら呑んでいるうちに
さいわいそのまずいお酒がなくなってしまうという裏技みたいな呑み方もあるのである。
まずいお酒は、いくら貶してもけっしてうまくはならないから、そういうお酒を、逆に楽しく
呑む方法を考えるのが運悪くまずいお酒に出合ってしまったときの呑み方である。

では、うまいお酒とはどういうお酒をいうかというと、逆にまずいお酒を消去していくという
方法もあるが、それをやると書き切れなくなることは必定なのでここでは正面から定義する。
うまいお酒とは、また呑みたくなるお酒のことである。心が引かれるお酒のことである。
だから、とんでもないひどいお酒が、人によってはそれがうまいという場合もあるのである。

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目玉焼きの食べ方とは、どうやって食べても綺麗に食べることができない目玉焼きを
そう感じさせずに食べる方法のことである。故・伊丹十三がその本に書いていた。
目玉焼きの食べ方には、あんな食べ方、こんな食べ方があるけれどと講釈しながら食べ進める
ことで、だまって見ていたら美しくない食べ様を誤魔化してしまうという技のことである。

by munojiya | 2012-04-02 00:03 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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