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2012-05-08 「普通酒」という用語

お酒用語に「普通酒」という言葉がある。
問題は、その「普通酒」という言葉をどれだけの人が知っているかということである。
「本醸造酒」といったお酒用語の知名度を調査した資料は大手の蔵元は持っているのだろうが
庵主は見たことがない。その言葉の意味をどれぐらいの人が知っているかということである。

「普通酒」という言葉は知られていなくても、逆に「吟醸酒」とか「大吟醸」とか「純米酒」
という言葉は知名度が高いことだろう。「普通酒」と違ってよく使われているからである。
しかし、言葉を見聞きしたことがあっても、最近お酒のうまさに目覚めたという人から、
よく「吟醸酒って何ですか」と訊かれるから意味の理解は進んでいないにちがいない。

「山廃」とか「ひやおろし」などの用語は、長くお酒を呑んでいてもその意味を訊かれると
説明できない人がいるから、言葉を知っていることと意味を知っていることは別の話である。
ただ、「普通酒」という言葉を知らないと、その手のお酒を欲しい時に何といったらいいのか
困るのである。指を鳴らすことを何というか。名称を知らないと説明が長くなるのである。

「お酒で、純米大吟醸、純米吟醸、特別純米、純米、大吟醸、吟醸、特別本醸造、本醸造、
経済酒、合成清酒でないお酒を下さい」ということになる。
しかも、「普通酒」と表示されているお酒は無いのである。無銘酒とでも呼べばいいのか。
アル添まではお酒と認めてもいいが、糖類・酸味料を加えたら加工酒と呼ぶべきだろう。

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牛乳に生クリームやカルシウム等を加えたものは「加工乳」と呼ぶのである。
「普通乳」とは呼ばない。それは格下の牛乳だからである。特殊な牛乳だからである。
その伝でいえば、本来のお酒に何か副原料を加えたものは「普通酒」と呼ぶよりは、
「加工酒」と呼んだ方が、今何を呑まされているのかよく分かるのである。下手物。

by munojiya | 2012-05-08 00:04 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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