2012-06-05 命の意味
胃は食らうということである。他の命を食わないと生きていけないということである。
血とは遺伝子のことである。遺伝子に美醜あり、汚い遺伝子配列もあることはもちろんである。
命とは遺伝子を伝えるということなのである。
生命の本質はつねに清新であるということである。その中身の質は問わない。
いまあるのは最新の善であり、最新の悪なのである。一般的に悪はつまらない。
だから旧〈ふる〉くなった細胞はつねに最新のものと取り替えられていく。
個体としての人も旧くなったものは新しいものと取り替えられていくのである。
善はまた美とも呼ぶ。日本人はその審美能力が生来備わっている個体〈ひと〉なのである。
お隣の国の人達はそれが欠けているだけなのである。日本人が忌避する理由はそれである。
うまいお酒とは美しいお酒のことなのである。
まずいお酒とはそれが感じられないものをいうのである。
「ワンカップ大関」に美はあるか。あれは美を最初から削ぎ取ってしまった酒なのである。
日本人の凄いところは、美しくないものを美しくしてしまうところにある。
侘〈わび〉、寂〈さび〉は、本来美ではないのに、それを美に昇華させてしまったのである。
当初の極彩色が剥落して朽ちつつある仏像に美を見いだせるのは日本人の感性ゆえにだろう。