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2012-06-26 樽詰「麦とホップ」対樽詰「黒ラベル」

寄席の帰りに入った蕎麦屋にサッポロの「麦とホップ」の樽詰があった。
「麦とホップ」は庵主がいうところの本ビールである。
アルコールを混ぜて造った、ビールを騙ったリキュールのことである。はっきり言って紛い物。
メーカーはそれをビールとは呼んでいないが、ビールのイメージで売っているのである。

CMでは、ちゃんと「ビールと間違えそうになりました」といって、それがビールでないこと
を明言しているが、それがあたかもビールであるようなイメージで売っているのである。
買う方も、それが嘘だとは知っていても、それをビールだという擬制の下で飲んでいるのだ。
造り手と飲み手の馴れ合いによる嘘つきごっこである。建前の美酒〈うまさ〉である。

水代わりに飲む分には、水を飲むより喉に心地よいからそれで良しとするわけである。
そのかわり、味わって飲むときはヱビスとかプレミアムモルツを奮発して飲むのである。
缶ビールの「麦とホップ」も良くなったとは思うが、樽詰は缶よりうまいのだろうか。
ジョッキ1杯290円だったからためしに飲んでみることにした。

やっぱり軽い。軽いというより味が薄い。刺身でいえば、透かして見ると向こう側が透けて
見えるように薄く切ったそれである。本物のビールの味わいは、しっかり厚く切った刺身だ。
明らかに食感が違うのである。樽詰の「黒ラベル」と飲み比べてみると、「黒ラベル」の後に
「麦とホップ」を飲むのは厳しいのである。味がペラペラに感じてしまうからである。

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紛い物には近づかない方が身のためのようである。まずい酒を飲むのも修行の内ではあるが。
味がペラペラだということは、ライトな飲み心地ということになるのだろうが、
選択肢がある時には間違ってもそんなものを選びたくないのである。
うまいご飯とまずいご飯があったら、まずいご飯を選ぶ人はいないように。

by munojiya | 2012-06-26 00:03 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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