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2012-10-26 庵主が馬鹿にしているのはお酒にではない

庵主は、ビール類でいえば「新ジャンル」を、お酒でいえば「普通酒」を馬鹿にしている。
あんなもの人間の飲物じゃない、と口に出しては言わないが心の中では思っているのである。
選択肢がある時にはそんなものを飲むなと暗に言っているのである。
と言いながらも、庵主が平気でそれらを口にするのは、また下手物が好きだからである。

下手物は可愛〈おかし〉いからである。可愛いとは欠点のあるものに対するいたわりである。
東京スカイツリーのてっぺんに昇って地上を見下ろすのも気持いいのだろうが、
下からそれを見上げる気分も悪くはないのである。
おー、ナントカが昇りたがるのがあのタワーなのかと。視点を変えると優劣が逆転する。

庵主は、売られている新ジャンルとか普通酒を馬鹿にはしていないのである。
存外飲めるからである。ただし残念ながらその多くはうまくないということである。
最初に口にするのがそれで、口直しにいい酒を呑み直せる酒量があるならいいのである。
庵主は酒量が小さいのでそれができないから、最初からうまいお酒でないと駄目なのである。

財布の中身が寂しい時にはそういう酒は安いから頼もしい。その値段に意気投合しちゃうのだ。
しかしである。アルコールを大量に混ぜたものを普通酒と称し、ビールにアルコールを混ぜて
ビールだと強弁して売ることに良心の呵責を感じない料簡を淋しく見つめているのである。
その手の酒〈フェイク〉を造る身になってしまった人達の不運を嗤〈あげつら〉うのである。

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酒は自分が飲むものであっても自分では造ってはいけないことになっている。
ならば、その造り手は良心にしたがって「誠意」をもってお酒を造ってほしいのである。
紛い物ならちゃんとそのように表示してくれればいいのである。私は悪魔に心を売った、と。
紛い物〈フェイク〉をあたかも本物であるかのように売るから嗤〈わら〉っちゃうのである。

by munojiya | 2012-10-26 00:03 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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