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2012-12-21 嫌味の作法

お酒と映画のいいところは、自分ではつくれないけれど、他人がつくったそれらの物に対して
いくらケチをつけてもかまわないという点である。だから、お酒や映画は楽しいのである。
最近、いろいろと復活する人が多い。自民党の総裁とか、コケても高得点なフィギュアの
金メダリストとか、麻薬と逃亡劇でおなじみの美人タレントとか枚挙にいとまがない。

そんな中公開されるディズニーアニメ冬の勝負作「フランケンウィニー」のテーマもまさに
「復活」。先ほど挙げたのは永遠に戻ってこないほうがいい連中ばかりだが、本作で復活する
のは交通事故で死んだ愛犬。そのせつないファンタジーは、あなたの心の中にさざ波を立てる
だろう。
』(典拠)。映画に事寄せて嫌味をちりばめるのである。酔いから醒めるのも復活である。

とはいえ(中略)作品世界の中の住民にとってはスパーキーは動く死体にすぎず、バレたら
大変である。ヴィクターにとっては変わらぬ愛犬だが、彼以外には気持ちが悪い化け物である。
このテーマこそティム・バートンの本領発揮。被差別者、異形なるもの、そうしたものへの
暖かな視線。そこから感じられるのは、愛というもののやっかいさと、素晴らしさである。


お酒に対する愛(依存)とか宗教に対する愛(盲従)もまた同じである。始末におえない。
結局物語には、適切な長さというものがあって、お金をかけて長くすればいいというもの
ではない
』。で、庵主も負けずに、この映画、字幕版と吹替版の2本の予告篇を見たらそれで
十分満足してしまうから本篇を見るまでもない。長編にする理由がなかったようである。

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2番目の引用は、ヴィクター少年が飼っていた愛犬の「スパーキー」の所を「宗教」としても
通じるのが可笑しい。
「睥睨される信者」、「奇矯な行動をとる信徒」、そうしたものへの生暖かな視線。そこから
感じられるのは、信心〈あい〉というものの厄介〈むなし〉さと素晴〈ばか〉らしさである。

by munojiya | 2012-12-21 00:40 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya