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2013-03-13 もう一つの三無酒義

三無主義で売っているのがキリンのノンアルコールビール「フリー」である。
ノンアルコールビールとはいってもビールではないので今はビールテイスト飲料という。
第三のビールや新ジャンルを「紛い物」と呼ぶなら、それは「レプリカ」といったところか。
見かけはそっくりに造られているが、人の心を動かす肝心な部分が欠けているからである。

「フリー」は「人工甘味料・合成香料・酸化防止剤」を使っていないという三無主義である。
一方のサントリーの「オールフリー」は、「オール」と称するだけあってもっとすごい。
三無主義、いや、三無“酒”義なのである。
「無アルコール」「無カロリー」「無糖質」である。酒としてのうまさは皆無なのである。

本来の三無主義は、「無気力・無関心・無感動」に「無責任」を加えて四無主義という。
サントリーのそれは、「無意味」を加えて四無酒主義である。
もっとも、そういう商品にも需要があるのだから、21世紀はイミテーションの世紀だと
割り切ってしまえばそれは繁栄の証なのである。

庵主は他人の商品選択にとやかくいうことはしない。
どんな商品でもそれが売れるということは存在価値があるということだからである。
庵主に理解できない商品〈価値観〉は世の中にいくらでもあるからでもある。
酔わない酒というのは、感じないセックスみたいなものである。ほとんど変態行為である。
by munojiya | 2013-03-13 01:02 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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