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2013-11-06 明治天皇の写真はない

西郷隆盛は写真が残っていないという。
なのに、多くの人はその顔を思い浮かべることができるのである。
坂本龍馬と同じ時代の人だから、写真がなかったわけではないが、写真が残されていない。
だから、後世の人は、上野の西郷隆盛像でその顔を思い浮かべるしかないのである。

そして、明治天皇が、御真影が残されていないというのである。
いや、その写真を見たことがあるという人は少なくないはずである。
庵主は古い人だから、明治天皇というと、ためらわず嵐寛寿郎の顔を思い浮かべるのである。
しかし、明治天皇の写真というのは、実は絵に描いたものを写真機で撮ったものだという。

一番有名な元の絵は、エドアルド・キヨッソーネが描いた肖像画だという。
当然、実物以上に貫祿十分な肖像画が描かれていることは想像に難くない。
流行り言葉は使いたくないが、不適切描画であり、誤描写であり、偽装肖像画なのである。
食材の「不適切表示」「誤表示」「偽装表示」という言葉が、今、流行っているのである。

なぜ、写真を残さなかったのかというと、リンク先のような事情があったからだという。
写真があると、それは違うと判る人がまだ生きていたので、都合が悪かったからだという。
お酒はいくらうまいお酒でも写真に残すことができない。見た目が同じだから意味がない。
その味わいは呑み手の心の中に残るだけである。それ故に却って真実が語り継がれるのである。

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庵主は、宇野正美先生から、明治天皇の写真は一枚も残っていないと習ったのだが、
この写真はどうなのだろうか。
なんとなく写真みたいに見えるのであるが。
明治天皇の晩年に撮られたという写真がこれである。明治の歴史すら曖昧模糊なのである。

by munojiya | 2013-11-06 00:02 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

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