2014-09-19 余外篇「ソニはご機嫌ななめ」
サン・ホンスという監督の映画が今2本同時に公開されている。両方観る人は少ないだろうが。
この「ソニのご機嫌ななめ」ともう1本が「へウォンの恋愛日記」である。
余程注目の監督なのかと思って、まずは「ソニはご機嫌ななめ」を観てみたのである。
他の人の感想を探したら『どちらか1本選べと言われたら迷わずこれ。』(典拠)だという。
庵主の選択は間違ってはいなかったようだ。
『でも、「ヘウォンの恋愛日記」のレビューで述べたけど、自分はこの作品を監督している
ホン・サンスが苦手である事を書いた。』。
『それでも、自分はホン・サンス監督のセンスは自分には合わないと思っているので今度観る
時はちゃんと監督をチェックしたい。』。
小さい劇場で観たのだが、見回すと、何と庵主以外みんな女の子だった。もう一人男を見たが。
選択は間違ってはいなかったが、言うならば、普通酒の2本から選択していたようである。
そういう映画みたいである。不覚にもはじまってすぐに睡魔に襲われてしまったのである。
半睡で観ていたが、長まわしが多いというところとメリハリのない進行のけだるさだけは
感じていた。長まわしは、よく考えたら舞台の表現方法と同じだと気付いたのである。
エンドロールの色遣いがいい。最後、それでほっとするいい映画だった。心地よく眠った。
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エンドロールが、普通の映画は黒地にややもすればやる気の書体でだらだらと流れるが、
「ソニはご機嫌ななめ」は地色が黄色なのである。そして字が色気のある緑色の手書き文字。
それまでパッとしなかった映画が俄然明るくなる。あっ、この映画ひょっとしてセンスのいい
映画だったのではないかと思わせる洒落っ気のあるエンドロールだった。快い眠りに満足した。
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ソニーの株主もご機嫌ななめである。
ソニーがとうとう無配に陥ったというのである。
庵主が子供の時分は、「SONY」は燦然と輝いていたものだが、グローバルスタンダードに
心を売ってしまった今ではその面影もない。うまいお酒がつまらない酒になったような感じ。
『うちのテレビはソニー。
ウオーキング用のラジオもソニーどすえ。
ウオークマンまだ使えるやんかいさー。
井深・森田のオッサン懐かしい!』(同米)。
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『ドイツ・ベルリンのポツダム広場にあるソニーセンターを訪れた時、
看板を見て驚いた。
日本企業のSONYであるはずなのだから、
「SONY」「ソニー」の表記でよさそうなものなのに、
なぜかデカデカとハングルが併記されていた。
ドン引きした後に、
ソニーの汚鮮度の深刻っぷりが表されてるようで、薄ら寒くなった。
もうソニー製品は二度と買うまいと、旅の地で誓った。』(同米)。なるほど。