2014-11-12 殆ど固有名詞の「猟銃自殺」
人物を思い浮かべるのである。
大映の俳優だった田宮次郎その人である。
暮れも押し詰まった1978年12月28日に猟銃で華々しく自殺したからである。
爾来〈じらい〉、「猟銃自殺」は田宮のトレードマークになってしまった。
それだけ強く印象に残る自殺だったのである。
フランク永井の、「ネクタイ自殺」という、ちょっと印象度が薄い準固有名詞もある。
誰もが知っているのは三島由紀夫の「ナントカ自殺」だろうが、はっきり書くのは憚られる。
『[田宮五郎と浅野ゆう子は]5年前から交際スタート
田宮は名優、田宮次郎氏(43歳で猟銃自殺)の次男。多くの職業を経験し39歳で俳優
デビュー、浅野とはデビュー以前から知り合いで、デビューへの力添えもしたという。』
(典拠2012年6月13日記事)と、今でも、ちゃんと「猟銃自殺」と書かれるのである。
自殺の核心は、天命に頼らず自分の意志で死ぬ事という形式にあるのではなく、自分の命を
自らの都合でわざと短縮させるという本質にあるのである。それを非とするのである。
ならば、酒呑みの非はそれである。酒を呑んで酔っぱらうことは、間歇的な自殺だからである。
貴重な人生の時間を、わざと酔っぱらって無駄遣いしているからである。
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訃報。『映画「白い巨塔」の主演などで知られ、78年に猟銃自殺した故田宮二郎さん(享年
43)の次男で、俳優の田宮五郎(たみや・ごろう、本名柴田英晃=しばた・ひであき)さん
が[2014年11月]6日未明、くも膜下出血のため東京都内の病院で死去した。47歳。
東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。』(典拠)。柴田家は早世の家系〈ち〉なのかも。
本文中に引用したサイトの記事は「田宮次郎」になっているが、正しくは「田宮二郎」である。
田宮二郎の本名が柴田吾郎で、その次男の芸名が田宮五郎というのは父親の本名から取ったと
いうことなのか。田宮五郎はこういう人だった。
『誰だか知らんけどご冥福をご祈願します(´・_・`) 』(同前8)。若い人も知らないか。