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2014-12-31 レストランにおける最悪の事態

「最悪」というのは、「至福」同様、人生でただ一回しか使えない言葉である。
すなわち、それを口にしたときは死ぬときだということである。
「感動」とか「福音」のように、何度でも小出しにできる言葉とは違って、真剣な言葉だと
いうことである。つまり、この世の餞にここぞという時のために取っておく言葉なのである。

だから、それを小出しにする人は軽薄と見られるのである。
因みに、「餞」は「はなむけ」と読むことは勿論である。庵主は読めなかったが。
「ちなみに」も、「因みに」と書くとは知らなかった。ワープロが教えてくれたのである。

閑話休題(これから横道にそれるという意味ではなくて、リセットすることである。元の話に
戻るという意味である)。
「最悪」という言葉は、下手すると死んでしまう状況に直面することをいうのである。
多くの場合は、その思いとは異なって案外生き続けることかできるものである。

「貧乏」とか「失恋」がそうだろう。「至福」はこの上ない幸せだから、それが二つあったら
自家撞着を起こしてしまう。思い残すことなく、心地よく死ねる最期を言うのである。
お酒は、急激に呑んでアルコール中毒死するときが最悪のお酒だろう。
自分の想像を遥かに越える悦楽の味わいのお酒に出合った時は、至福の予行演習なのである。

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肝心の標題の話題に辿り着けなかった。
レストランにおける最悪の事態とはこれである。
これは酷い
非良心的な日本人なら、その予約した人はソレだろうというオチにしたくなるのである。

スポーツ界では、ライバルを蹴落とすために相手に対してイジワルをすることがあるという。
永六輔師によると、明日が試合だという前夜に、その大会に出場する選手に、出場選手から
漏れた選手が、「明日の試合頑張ってください」という激励の電話をいれるのだという。
それも、相手がよく眠る時間なくなるように、夜遅く、かつ長い電話を。

案外、その予約も、競合レストランの嫌がらせなのではないのか。
存外、無断キャンセルされたレストランも、同業から恨まれているという線も考えられるのだ。
それにしても、無断でキャンセルされたレストランのオーナーはゾーとしたことだろう。
最悪の予行練習である。もうそのあとには怖いものなしなのである。

最悪に関しては、こんな政治家の言葉を思い出した。
「政治においては、緊急を要する案件に重要なものはない。
逆に重要な案件を処理するには十分な時間があるものだ。」。
「日本に、今核ミサイルが飛んできています」という報告を受けた時はその例外だろうが。

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庵主は、今もうまいお酒を呑んでいるところである。
中には、この年の暮れを越せない人もいるだろうに、なんとも恵まれた生き方をしている。
まさに至福といいたいところだが、来年もまた、いま以上にうまいお酒が呑める予感がする。
至福には至らないが、今の幸せを「私福〈しふく〉」と書いておこう。心の内における幸せを。

by munojiya | 2014-12-31 00:01 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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