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2015-04-23 映画における「金返せ」の境界線

映画を見て、中身がつまらなかったからといって「金返せ」と言う人はまずいないのである。
興行は作る方からすれば水物である。
観る方からいえば、騙すか騙されるかの判断力がためされるのである。
騙されたからといって声高に叫ぶと、自分は馬鹿だと言う様なものだから皆黙っている。

芝居で、お目当ての役者がたまたま体調不良などで代役になったときは「金返せ」と言っても
いいのだろう。その場合は劇場の方から先に払い戻しか代理公演券を提示してくる。
さて、映画の場合である。映画の場合は代役ということないが、例えばスタンダードサイズの
古い映画を間違って、シネマスコープサイズで映写された時には「金返せ」と言えるだろう。

画面は100%全部映っているのである。しかし、横幅が異常に引き延ばされている画像では
映画は楽しめないからである。異常比率の画像を正常比率に直して見る能力は人間にはない。
こういう場合はどうか。画面が全部映っていないのだ。それでも筋は判るのである。
これが劇場だったら「金返せ」と言っていいだろう。画面を囲むマスクの位置が間違っている。

さて、問題は、画面はちゃんと正しく映っているが、マスクの位置がずれている時である。
例えば、スタンダードサイズの上下のマスクは合っているが左右のマスク(暗幕)の位置が
シネマスコープサイズのままだったら。画面は100%観る事はできても落ち着かないのだ。
「金返せ」と言っていいよね。新宿ピカデリーのことである。酒呑みには金返せはないが。

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今時のワイドテレビでスタンドダードサイズの映画を見ると、画面の左右に画が映らない黒い
部分ができるが、劇場のスクリーンでそれと同じ状態で映画を見せられるのは見苦しいこと
この上ないのである。 この頃の映画館はスクリーン前の幕がないところが多く、しかも画面
サイズに合わせたマスクもきちんとできないのなら、冗談でなくて、「金返せ」である。

映画の画面比率に合わせて、画面の周りをマスクする暗幕は自動的に移動するようになって
いるものだと思っていたが、映写技師が手動で合わせているのだとしたら、映写技師の質が
落ちているということか。
東京のド真ん中の看板映画館でそれなのだから、名門の松竹も劣化しているのである。

by munojiya | 2015-04-23 00:03 | 余外篇 | Trackback | Comments(0)

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