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2015-06-18 「夢を売る男」(天の巻)

百田尚樹の“売れない”小説に、「夢を売る男」というのがある。
自費出版で「善良な」素人著者を騙す悪徳出版社の話で、詐欺の話として面白く読めるという
「情報」を小耳に挟んでいたので、“悪評”の「永遠の0」は読まなくてもいいが、これだけ
は読んでおきたいと思っていたのである。

本屋に行って探すまでもなく、本の方からやってきたのである。
そこに、その本があったということである。
庵主の目にとまるところに、その本はちゃんと置かれていたのである。
庵主にとっては、うまいお酒との縁がそれと同じなのである。

うまいお酒がそこにあるから、それを呑むだけである。
ちゃんと出合えるということである。
庵主はそう思っているが、そういううまいお酒との縁は逆なのかもしれない。
日頃から、うまいお酒の話を気にとめているから、それが見えてくるのである。

だから、たまたまそこにそういうお酒があったときに目が行くということである。
貧乏人は、チャンスが目の前にあっても気がつかずに、みすみす見逃してしまうという。
「チャンス」というのは、要するにうまいお酒のことなのである。
日頃から気にとめていないと出合っても気がつかないという事なのではないか。

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長編を、何冊かに分ける時に、普通は「上巻」「中巻」「下巻」とする。
そして、出版界では、一番売れるのが上巻で、つぎには下巻が売れて、なぜか中巻は下巻より
も部数が出ないというが経験則になっているという。
長い小説や、大説(高説のこと)は途中をはしょっても大して変わらないという事である。

やたらと長い評論を書く佐藤優は、それを避けるために、上巻と下巻にせずに、どっちの巻も
売りたいということで、それを「右巻」と「左巻」に分けたことがある。
「うかん」はともかく、庵主は、もう一つを「ひだりまき」と読んでしまうのである。
「ひだりまき」の本なんなか、読んでも糞の役にも立たないのである。

本日のテーマも“長編”だから、庵主はそれを3回に分けることにした。
それを素直に上・中・下巻としないで、天・中・地巻とすることにしたのである。
しかし、それを「天巻」「中巻」「地巻」とすると、語感では「癲癇」「中韓」「痴漢」に
なってしまうので、「天の巻」、「中の巻」、「地の巻」にしたのである。

「天」と「地」を使って3巻に分ける時は、「天・地・人」とするところだろう。
「天の巻」と「地の巻」としたのでは、よもや「中の巻」があるとは思い浮かばないのだ。
「中巻」が売れないというのも、それなのではないか。
「天・地・人」を使うより「序・破・急」を使えば3巻編成であることが明確かもしれない。

by munojiya | 2015-06-18 00:03 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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