人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2015-06-22 藪蛇

「そば屋の出前」という言葉を知らない若い(と思われるが、そうでないかもしれない)
日本人(と思われるが、そうでないかもしれない)がいるという話を取り上げたことがある。
さすがに、「うさぎの逆立ち」は知らなくても、「藪蛇」を知らない日本人はいないだろう。
でも、念のため、「藪蛇」とは「藪をつついて蛇を出す」ことである。

「目からウロコ」という言葉もある。これは良く使われる言葉だから説明は不要だろうが、
そのウロコを魚の鱗だと思っている人はいるようである。
「誤謬事典」によると、「藪蛇」とは『余計な事をしたために、いらぬかかわりあいになり、
思わぬ不利や災難を招く事。
』とある。

本を出版して、反省している振りをみせて、しっかり印税(皮算用では1千5百万円以上)を
せしめようとした「少年A」が、どうやら藪をつついてしまったようなのである。
「被害者遺族が訴訟を起こせば……」『絶歌』出版の“酒鬼薔薇聖斗”現在の住所・名前が
暴かれる日
』(典拠)が来るというのである。

今度の損害倍賞は、すでに成人の行為ということになるから、裁判になったら、匿名という
わけにはいかない。しかも世間が注目している事だから報道を差し止める理由もないのである。
世間に、真摯に反省をしている様子を晒す事になるというのである。その勇気やよし、である。
よもや、酒をくらって自堕落な生活をしている事はないだろう。それじゃ反省にならないもん。

-----

いよいよ元「東慎一郎」君だったかの、現在の「通名」が公開されることになりそうである。
世間様は猟奇殺人の少年の反省なんか誰も信じてくれないという現実を知る事になるだろう。
そうなったときでも、もしいまお酒を呑まずに身を粛しているものならば、自棄酒なんかを
呑まない事を祈るのである。「祈る」とは、関わり合いになりたくない時に使う言葉である。

アメリカではニューヨーク州で犯罪者が自らの犯罪行為をネタに出版、販売して利益を得る
ことを阻止する「サムの息子法」と呼ばれる法律があり、犯罪行為を商業利用することを禁じ
ている。同様の法律は他州や世界各国で類似したものが存在するが、日本ではこれがないため、
「酒鬼薔薇聖斗」は出版元の太田出版ともども、堂々と利益を手にできる状況だ。
[中略]

「でも、今回のケースを契機に新しい日本版の『サムの息子法』を作りたいと考える弁護士も
少なくないです。そのために大きな波風を立ててきっかけ作りにしようと話している弁護士も
いて、32歳の酒鬼薔薇聖斗が、少年法そのままの匿名で、過去の犯罪をビジネスに利用した
ことに対する報復として、合法的に著者の現在を白日の下に引っ張り出すための裁判案を練って
います」(同)
』(同前)。

元少年Aの出版が小遣い稼ぎを目的としたものなら、今度はその出版差止めを稼ぎの種に利用
しようという賢い弁護士もいるという事である。
元少年Aの自己顕示欲が弁護士の野望を制するのか、はたまた弁護士の野望が元少年Aの甘い
希望を無残に打ち砕くのか、他人事〈ひとごと〉ながら大儀な事だと眺めているところである。

by munojiya | 2015-06-22 00:04 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya