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2015-12-10 人を愛するということは怖い事だ

「自由・平等・博愛」という詐欺師のキャッチフレーズ(誘い文句)がある。
詐欺師にとって都合のいい言葉だという事である。
大道で客を集めている香具師の口上に、忍法足止めの術と称するものがある。
「そんなに広がっていたのでは、通行する人に迷惑がかかる。もっと近くに寄って、寄って。

はい、それでいい。しかし、この中に一人だけ掏摸がいる。私には判るが誰とは言わない。
そう言われてこそこそとこの輪の中から逃げ出そうとする人がいたら、それが掏摸だっ。
これを忍法足止めの術という。そう言われたらここから離れる事ができなくなる」。
噺家が高座に上がってきた途端に帰ろうとする客がいる事がある。噺家の足止めの術はこうだ。

「この前も居ましたねぇ。私がこうして高座に上がって来たら帰ろうとした客が。そういう
お客さんはどうなったと思いますか。寄席を出た途端に車にはねられてしまいましたけどねぇ」。
「自由・平等・博愛」というのは、相手を自分より下に見て、思いのままにしようという悪意
が込められている言葉なのである。建前として、だれもがそれに反対できないからである。

その中で一番怖いのは「博愛」である。愛するということは、お前は俺の気持を受け入れろと
他人に強制することだからである。自分の自由になる人を相手にしても面白いわけがないのに。
自分の器量の中でしか世界が展開しないという事なので、自分の限界が判ってしまうからだ。
お酒を呑むと、「自由・平等・博愛」から一気に解放されるのである。どうでも良くなるから。
by munojiya | 2015-12-10 00:04 | 酒の肴 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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