2016-01-09 宮崎駿伝「おまえ、飛び方まちがってるよ」
「駿」を読めない人は、日本人ならいないだろうとおもわれるが、念のため、読みは「はやお」。
「シュン」ではないのである。
と、その読み方をわざわざ片仮名書きにしたのは「旬ではない」の駄洒落である。嫌味か。
すでに神様の領域の人だから、だれも逆らえないのである。
暴君だという。『「ろくな人生を送ってこなかったから、こんな絵しか描けないんだ!」と
上がってきたばかりの原画の束をわざわざホッチキスでとめ、描いた本人の目の前でゴミ箱に
投げ捨てる暴君・宮崎駿。』(典拠)。
庵主なら「碌な酒を呑んでこなかったから」と言う所だが、彼我は勿論月とスッポンである。
『「どうしてこんなふうに描いたんだ! 前におれが言っただろう。鳥の飛び方はこうじゃ
ないって!」とスタッフを叱責した宮崎が空から舞い降りた鳥に向かって発した驚きのひと言
は、「おまえ、飛び方まちがってるよ」
鳥にまでダメだしする芸術家と制作現場の橋渡し役をしていたのが舘野[名は仁美というから
女性か]だった。「この世は不条理に満ちています」という著者のつぶやきは実に重い。』。
この「重い」は、きっと「おかしい」と読むのだろう。
庵主みたいなのが、極上のうまいお酒を呑んでいるのだから、この世は不条理には違いない。