それは人間固有の、一種の病気なのだろう。
予言をしたがる癖のことである。
幸いなことに、予言が外れても責任を問われることがないという事がそれを続発させるのである。
もし、間違った予言をしたら死んでもらうということになったら、だれも予言をしないだろう。
そうなったら、宗教屋さんは商売があがったりになりそうである。
世紀末ごとにこの世の終わりが来ると予言するキリスト教団などは既に過去の栄光となっていた
ことだろう。二千年間にわたってもなお当たらない予言〈でたらめ〉をばらまいてきたのだから。
ハリウッドの映画はよく地球が滅亡するという映画を作るが、あれは自分たちの願望なんだろう。
白人様〈ゆだやじん〉には、どうぞ自由に滅亡してください、としかいいようがないのである。
自滅信仰は人間固有の精神病なのかもしれない。ユダヤ人の発想の狂気も実はその病気なのかも。
死んだ人によると、死ぬ直前が一番気持ちいいという。
それに似た快楽を求める麻薬主義者の願望が地球滅亡願望なのだろう。
一人で死ぬのは寂しいから、みんなも一緒に死んでねという気弱な精神の発露なのである。
「かもめ食堂」に、もし明日地球が滅亡するとしたら今夜は何を食べますかという台詞があった。
庵主は、その時に呑むお酒は決まっているのである。