テレビを持っていなかったので、長い間、相撲を見ることができない期間があった。
映像として記憶にある横綱は千代の富士ぐらいまでだったか、その記憶すらあやしくなっている。
最近の横綱の名前ぐらいは知っていてもその相撲を見ることができなかったのである。
入場料を払ってまで見に行くまでもないからである。
だから、相撲取りの名前を言われてもどんな力士なのか全然分からなかった。
がしかし、時代は移って、ネットで相撲の動画を見ることができるようになったのである。
それで再び動いている相撲を見ることができるようなった。
NHKTVは幕の内からの放送だが、相撲協会はネットで朝から土俵を同時配信している。
で、ネットのお蔭で見ることができるようになったのが宇良の相撲である。
この取り組みは幕下ということで「宇良対佐藤」と二人ともまだろくな四股名がついていない。
もっと出世したら、「宇良錦」とか「佐藤錦」という四股名が貰えるのだろう。
「佐藤錦」は先にさくらんぼうに取られてしまっているから、それはないか。
「宇良」のテーマソングは「
ウララ、ウララ」ということで四股名は「山本山」か。
『[宇良の]レスリングの癖は早く直した方がいいと思う。
十両では通じても、幕の内では通用したない[ママ]、こんな相撲では。』(同米)。なるほど。
お酒には違いないが、「こんなお酒では」というお酒もあるな、と思いが及んだのである。
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レスリングと違って、引いて相手を呼び込むのは相撲では邪道ということなのだろうか。
たしかに、相撲は勝つのが目的のスポーツではないような気はするが。勝てない宇良。 気合と気合がぶつかって、両者からほとばしり出る気合を客がもらって帰るものである。
ただ勝つことだけが目的の気迫がこもっていない陰気な相撲はつまらないという事なのである。
思えばお酒もそうで、ただ酔っぱらうだけのお酒は呑んでもつまらないのである。
大手酒造メーカーが大工場で造るお酒の多くがそういうお酒だから、旨いお酒が好きな人は
そういうお酒を見向きもしないのである。
旨いお酒はそこに込められている造り手の気迫がうまいのである。