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うまいお酒だけ呑みたい

そうはいかないのである。
かりにうまいお酒ばかり呑みつづけているとする。
そのうちそれがうまいとは思えなくなってくるからである。
客観的にはうまいことはわかるのだがその感動がうすれてくるということである。

うまいというのは
感動の一つである。
まずいもの、あるいはまずくはないがうまくもないものと比べたときに
初めて沸き起こってくる感動である。

うまいというのは
まずいとの比較によることもあるが
ある程度は絶対値でもある。
そしてまずいものと比べたときにより際立ってうまく感じるということである。

と書いてもよくわからないだろう。
例によって
書いている本人も何をいってるのかわからないからである。
話はお酒のうまさにしぼる。

比較によるうまさとは
二つ以上のお酒を呑み比べたときに
どれがよりうまく感じるかということである。
この中ではこれが一番うまいという場合である。

とはいえ、
その一番うまいお酒が自分にとってうまい酒かとなるとまた別のことである。
うまいと感じるお酒にはある程度のうまさがあることが必要だからである。
すなわち、それがうまさの絶対値である。

いくつかのお酒を呑み比べて
これが一番うまいといっても、
うまさの絶対値が、いいかえるならば
うまいと感じる味わいの水準を越えていないとうまいとは思えないのである。

うまさの絶対値は
いろいろなお酒を呑んでみて
自分の舌でもって確立するしかないが、
多くのお酒を呑んでいる人の評価はおおむね似たような所に収斂されるようである。

庵主の絶対値をいうならば「開運」の味わいである。
その味わいの水準を越えているお酒ならばそれをうまい酒だと思うからである。
なぜ基準が「開運」かというと、
東京なら百貨店に行けば容易に手に入れられる酒だからという理由による。

それを呑んでみてうまさの絶対値を実検することができるからである。
お酒を呑んでうまいと感じるのはこういう味わいにひたれるときだとわかるからである。
うまい酒といってもそのうまさにもまた違いがあるからお酒は楽しいのである。
そうなるとそれはまた比較の世界である。

うまいお酒を呑み比べることでそれぞれのうまさの特徴が見えてくるのである。
お酒を知るということはその違いがわかるということであり、
それは呑み比べることによって会得できることなのである。
だからお酒は長くつづけられる楽しみなのである。

映画「男たちの大和」で戦艦大和の大きさがよくわからなかったのは
その大きさを際立たせる小さい艦船が画面には出てこなかったからである。
そして映画になったシナリオとは別に作られていたシナリオにはあった
大和の艦内の大きさを示す場面がそっくり削られていたからである。

すなわち、比べてみないとそのすごさがわからないということである。
お酒も比べてみないとそのうまさがわからないのである。
だからまずいお酒を知らないでうまいお酒だけ呑んでいたのでは
その本当のうまさもわからないということなのである。
Commented by ayrton_7 at 2006-01-23 16:31
なるほど、大きさを引き立たせるシーン欲しかったですね。
冒頭の菊の文様の入った船首のシーン、あそこを太陽光線のゴースト入れるなりして格好良く表現して欲しかったです。
Commented by munojiya at 2006-01-23 23:37
そう、そう、そう。
太陽光線のゴーストというのはいいイメージですね。ほんとうはゴーストやフレアがはいっている画面はよくないのですが、それをあえてやってみると画面に時代(古さを感じさせる趣)がついたと思います。

60年前の日本人はよくこんなでかい物を造ったものだと思うと、庵主はあのあたりからこみ上げてくる熱いものをおさえることができませんでした。
ただ沈没させるために造られた巨艦だったことを知ってまた涙しないではいられません。

あの戦争での海軍の戦争のし方はわざと負けるように負けるようにと作戦を立てていたように思えるのは庵主だけでしょう。
あの戦争には裏がありそうに思えてなりません。

そして、海軍の誇りの戦艦は大和ホテル、武蔵旅館と呼ばれていたのだそうです。
by munojiya | 2006-01-22 23:50 | Trackback | Comments(2)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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