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2018-07-31 外国人には座頭市がわかるのか

こういう映像がある。「映像」はクリックすると音が出るので、クリックするときはご注意を。
座頭市の近衛十四郎〈このえ・じゅうしろう〉である。
間違っても、市に斬られて殺される筈がない配役なのである。
殺せないゲストスターを、市はどうやって斬るのか。

シナリオライターはどうやってオチをつけるのか。引き分けにしたのでは市の格が下がる。
公儀の侍と盲の市の切り合いにどうやって結末を付けるのか。
その場面は、観客と映画作家の想像力の戦〈よみあ〉いである。
映画を観ている客が、監督の手の内を読み取る事ができるか。

はたまた、監督は客の想像を上回るオチにもっていくことができるか、である。
大映京都の映像は美しいのである。
場面は雪が降りしきる場景というのがミソである。
真っ白い雪の上に、侍の真っ赤な血筋が続いている。画面の外で侍はこと切れるのだろう。

その映像に付けられたコメントが英語で、総数1154件とある。2018年7月30日現在。
外国人に座頭市がわかるのだろうか。勝新は知っていても、近衛十四郎は知るまい。
お酒を呑んだ時に、「ああ、日本人に生まれてよかった」という感懐でいう「わかる」である。
お酒のうまさは、日本人でないと判らないだろうから、外国人のことなどどうでもいいけれど。

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例えば、大映映画の座頭市シリーズの一作であるこの映画は、英語のタイトルが
Zatoichi and the Chess Expert 1965』なのである。
座頭市シリーズの中では庵主が好きな一本である「座頭市地獄旅」である。第一作が白眉。
「地獄旅」という題名では、何本も観たあとではどんな筋だったのか思い出せないのである。

チェスエキスパートと一緒旅の映画だとあったら、成田三樹夫との決闘が浮かんでくる。
「将棋指し」を「チェスエキスパート」と訳したのは誤訳ではないが嘘訳であるものの、
映画の筋をよく押さえているので、英語のタイトルの方が原題よりいいのではないか。
そしてその英語のタイトルがいいところは、最後に公開年度が書かれていることである。

「1965」という年は、庵主のように古い人には記憶に残っている年なのである。
前年に東京オリンピックが開催された年だからである。
奇しくも、2020年の東京汚輪は、座頭市ではないが「地獄旅」になりそうである。
利権に聡いチョウセン人が日本人の名を騙って引っ張ってきた汚輪だからである。

東京の真夏に開催するという後先考えないで招致したというのだから、その選択はすでに
日本人の「お・も・て・な・し」の精神とはかけ離れたものだった事が判るのである。
今年(2018年7月)の炎暑を「週刊文春」は『殺人猛暑』と呼んでいるが、東京汚輪は
選手殺しの「殺人汚輪」となりそうなのである。庵主にはどうでもいいことではあるが。

by munojiya | 2018-07-31 00:02 | 余外篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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