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ただ「お酒」

昔の飲食店のおしながきにはただ「お酒」としか書かれていなかった。
選択肢がなかったからである。
銘柄は一種類、しかもランクも一種類、
そしてお求めやすいお値段の三増酒しか置いていなかったからである。

だからお酒を頼めば
ためらわずそのお酒が出てくる。
客は選ばなくてもいいのだから便利なことこのうえない。
お酒の知識がなくてもお酒が呑めるのである、だんぜん楽なのである。

それじゃお酒を呑んでいてもつまらないという人がいて
いろいろなお酒を造れという声が起こった。
そうでなければお酒の蘊蓄を語る楽しみがないじゃないかというのである。
庵主もそちらの口である。

量が呑めないのでそうでもしないとお酒を呑んでいても間がもたないからである。
でも結局はそんなことは面倒くさいと思うようになってきたのである。
お酒を呑みたいと思ったときにただ「お酒」といえば
だまってうまいお酒が出てくるのが一番いいと思うようになったのである。
by munojiya | 2006-07-06 00:13 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya