おビール
文化審議会の国語審議会の敬語小委員会の指針案である。
これまでの敬語は尊敬語、謙譲語、丁寧語と習ってきた。
謙譲語を1と2に分けて、さらに丁寧語と区別した美化語という分類を作るという。
美化語というのは、
「お酒」「お料理」「御祝儀」などの聞き手に上品な印象を与える表現のことだという。
そこで問題は接客業界用語の「おビール」なのである。
基本的には外来語には「お」をつけない。
「おコップ」とか「おウィスキー」などとはいわない。
「トレイ」に「お」をつけて「おトレイはありますか」と聞いたら、
聞き間違えられて「入口の右側の奥が化粧室です」と答えられかねない。
「ワイン」に「お」を付けたら「汚穢ン」に聞こえてしまうから飲む意欲がそがれる。
さて、庵主は「おビール」が苦手である。
はっきりいうと大嫌いなのだが、それを聞くと気持ちが悪いのだが、
それを言う人は悪気で言っているわけではないから困るのである。
そういう言葉は「無神経語」としてもう一つ分類を増やした方がいいみたいである。