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お酒のうまさ

うまいお酒とはどういう酒なのかということを言葉で教えてくれという人がいた。
庵主が、まずそういうお酒の現物を呑んでみてほしいというと、ケチだといわれた。
なぜうまい酒を言葉で教えてくれないのか、教えてくれないのはケチだというのである。
また、言葉で言えないのだからそれは分かっていないからだともいう。

その人は法学徒だったからついそういう発想になってしまうのである。
言葉にできないことはわかっていないことだなどいう発想は庵主には無縁である。
それでは、色を言葉で伝えられるのか。
その法学徒が見ている色を、言葉だけで別の人に伝えることができるのだろうか。

その人が間違いなく認識している色を、すなわち分かっている色を電話で伝えただけで、
それを言葉だけで聞いた人はそれと同じ色を描くことができるだろうか。
例えば赤といっても、朱色とか金赤とか真紅などいろいろあってその違いは微妙である。
見れば分かる色でも言葉だけでは微妙な違いを伝えることはできないということである。

うまいお酒は実物を一度呑んでみればすぐ感得できるものである。
言葉の出番はそれからなのである。
感覚はまずそれを経験してもらわないと話をしても通じないということなのである。
言葉を連ねることは簡単だが、その意味するところが伝わらないということである。
by munojiya | 2006-12-14 00:54 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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