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酒を抜いた人

鴨志田穣(かもしだ・ゆたか)という人が42歳でなくなった(2007年3月20日逝去)。
ふつうならそんな歳で死ぬ年齢ではない。
腎臓癌だったという。
そういえば市川雷蔵も、夏目雅子も、癌で早逝している。

いい人から早く亡くなるという言葉があるが、
確かに、それでもなお生きている庵主を見ればそれは当たっているような気もする。
鴨志田穣は酒がやっと抜けたという矢先の死だったという。
「最後はお酒も抜けて、ホンマにええ人やった」といわれたアル中患者だったのである。

アルコール中毒はいまはアルコール依存症という。
よくいえば酒に惚れられた男だったのである。
常識でいえば寿命を縮める酒ならやめればいいのにと思うがそうはいかないのである。
そうは問屋がおろさないところが酒の情(じょう)が深いところなのである。

鴨志田穣はアルコール依存症から見事脱出したのだという。
そして脱出の記「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」という本を残したという。
同じ酒を呑んでいても、庵主のとは似て非なる酒の世界を読んでみようと思うのである。
庵主が呑んでいるお酒の世界は、その味わいと同様に甘くのどかなのである。
by munojiya | 2007-03-23 00:23 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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